思春期にぶち当たる"社会とのズレ"を、独自のアプローチで綴った短編集。 本書に"マイノリティの救済"はない。 そこにあるのは、読者に対し突きつけた"あり得たかもしれないもう一人の自分"である。 荒々しい筆致や断片的に繋ぎ合わせた曖昧なコマ運びも、全てが渾然一体となる奇跡の作風は必見だ。